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NARUTO if ~ 熱血 落ちこぼれの章 ~解説(言い訳)

 解説(言い訳・独自の設定) NARUTO if ~ 熱血 落ちこぼれの章 ~ 執筆に当たり、当時(2007年~2008年)は 暁の全貌も不明で、ナルトとサスケが再会した頃だったと思います。 ですので、第一部、及び第二部 序盤で判明していた事実を元に考察して 書かれているので、設定が間違っている箇所が見られます。 で、この先の話など、新しく原作で明かされた設定などと合わなくなって行って、 第4話で筆を置く事になりました。(当時、この先の展開をどう考えていたのか 忘れてしまったので、続きは私自身にも謎です。) 【原作との設定の違い(自分 考察で設定していた部分)】 ・ガイについて、ガイは普通に忍術が使えて体術メインだっただけ。 ・「ヤマト」はカカシの暗部時代のコードネームで木遁のヤマトへ受け継がれた。 ・「うちは」の「須佐能乎(スサノオ)」は、究極の体術(八門遁甲みたいなモノ)。 (イタチの万華鏡写輪眼の術が究極の忍術の「天照」、究極の幻術である「月読」なので、 「スサノオ」もあって、それは究極の体術だろうと考察していた。) ・リーは忍者でない一般人で理髪店の息子。 ・テンテンは中華飯店の娘。実は忍の一族で、忍具の店を裏でやっている。

NARUTO if ~ 熱血 落ちこぼれの章 ~第4話

 第4話「もう一人の少年」  さて、話を 数年前の あの『九尾の狐 襲撃事件』に戻そう。  炎の中、赤子だったリーを助けた少年は、リーを両親の元へ 無事、送り届けると瞬く間に消え去った。 「よし、この辺りは もう大丈夫だな。」  少年は、森の方へと向かった。次の集落へ行く為だ。  森を回るのは、遠回りになるのだが、禍の中心から離れて行動する為、 仕方のない事だった。  少年は、物凄いスピードで、木から木へと飛び移って行く。  すると、右向こうの木々を 少年の様に 移動する影達が見えた。  数は、7、8。いや、10は あろうか?しかも、人影では無いようだ。  よく見ると、その影達の正体は、犬だった。  10頭の内、半分位が まだ子犬のようだった。  そして、その犬達は 唯の犬では無い、犬の忍者・忍犬であった。  「ん?あれは・・・」 『何処かで見た忍犬達だな。』  そう思うと、少年は、忍犬達の後方へと目をやった。  そこには 忍犬達を追うように木々を飛び移る、奇妙な動物の白い面を 半分ズラして被った 白髪で逆毛の少年の姿があった。  少年は、それを確認すると、思わず口元が弛み ニヤリとした。  そして、少しペースを落とし、面の少年に並ぶと、嬉しそうに声を掛けた。 「よう、カカシぃ! 暗部のお前が何でここに居る?  お前は あっちじゃないのか?」左手を顔の近くまで上げ、親指を立て 左の方を指した。そう、禍の中心を。  面の少年は、面倒臭そうな顔をして、仕方が無いと言った感じだが、 何処か不満めいた ため息交じりに 答えた。 「しょーがないでしょ。俺の忍犬達なら 人命救助にピッタリだって、 四代目の命令なんでね。  俺だって、あっちで 四代目の役に立ちたいけど、 これも、立派な チームワークって奴さ。」 「フン、そーかァ! そいつは 残念だったなァー、カカシよ!」 「それと、ガイ。 この面を着けてる時は、ヤマトって呼べっつてんでしょーが!」 「はっはっはっ! それで面を被ってるつもりか?  顔丸出しで、コードネームも無いだろう!」 「やれやれ・・・」  面の少年は 真っ直ぐ前を向くと、誰にとも無く 呟いた。 「しょーがないでしょ。顔を見られるより、いざって時に 直ぐに 写輪眼を使えない事の方が リスクが 大きいんだから。」 「えっ!?何だって?」 「何でもないよ。...

NARUTO if ~ 熱血 落ちこぼれの章 ~第3話

 第3話「少年」  あの事件の日、多くの家で火の手が上がり、 それは この理髪店を営むロック家も例外では無かった。  里中が一大パニックになった。 禍の中心では、就任 間もない四代目火影を筆頭に、 里の忍達は大いなる禍に立ち向かっている。  また、居住区でも、里の忍達が、民間人を避難所へと誘導し、 パニックを収拾するのに努めていた。  突然の出来事と禍の主を目撃してしまった恐怖で、 立ち尽くす母を 逸早く 誘導役の忍の一人が見付けて、 避難所へ向かう行列に合流させてくれた。  そこで、父と再会を果たし、父と母もその誘導に従い 避難所を目指していた。 しばらくして、正気に戻った母は ある重大な不幸に気付く。  まだ1歳だった我が子が、燃え盛る家の中に居るのだ。 隣の部屋にはリーを寝かし着けていたのだから。 そして、リーが助けられた様子もない。 父も、母を助けてくれた忍も、今、自分達を避難所へ誘導する忍も、 誰もリーを知らない。  母は、一瞬、真っ青になったが、今度は、真っ赤になって、 父と共に我が子を助けるべく引き帰そうとしたが、誘導役の忍達に 引き留められてしまった。 「放せ!離してくれ!」 「放して!リーが!子供が、まだ!!リーッ!!」  母は、涙ながらに訴えた。  その時だ!  何処からともなく威勢のいい咆哮がこだまする。 「ダァイナミィック、エントゥリーッ!!」  同時に、碧い影が飛び蹴りのポーズで、物凄いスピードで、 リーの取り残された 燃え盛る 我が家の壁をぶち抜き突っ込んでいったのが 父と母の瞳に映る。 次の瞬間、先程 空いた壁の穴を クルクル丸まり回転しながら、 炎を潜り抜け、碧い影が 飛び出した。 そして、影は 父と母の眼前に降り立った。 影の正体は、全身 緑のタイツにベストをしたオカッパ頭の顔の濃ゆい、 それでいて、何だか爽やかな感じを醸し出す不思議な少年だった。  その腕には、赤子が抱きかかえられていた。そう我が子リーが。  一瞬の出来事に その場の全員が 動きを声を失った。  母の頬を涙が伝う。そして、母の泣き声が沈黙を破った。 「ああ、リー!!ありがとうございます!ありがとうございます!」 少年は泣きじゃくるも手を伸ばす母に、赤子をそっと渡す。 母は、ギュッと、それでいて とても優しく 我が子を抱きしめる。  父も、ようやく口を開く。...

NARUTO if ~ 熱血 落ちこぼれの章 ~第2話

 第2話「きっかけ」 次の日の朝、母は忍者アカデミーの入学願書を貰いに出掛けた。  父は、いつもの様に店を開ける。  何とも清々しい日であった。  いつもの様に、仕事をこなす父。  息子のリーは、近所の中華飯店の娘 テンテンと近くの公園へ 遊びに行ってしまった。  今のお客さんも、髪を切り終え帰った処で、順番待ちのお客さんも居ない。  静かな時間、床に散らばった髪の毛を、箒で集めながら 子供達を浮かべた。 「そう言えば、テンテンちゃんも、アカデミーに入学するんだったな。 ま、あそこは歴とした忍の一族だもんなぁ。」 ため息のように、ブツブツと独り言を始める。  そんな時、母が願書を持って帰って来た。 「本当、テンテンちゃんが、一緒で良かったわ。」 ハッとして、我に返る父。 バツの悪そうに、 「そ、そうだな。」 「なァに?」と母が微笑する。 「い、いや・・・。  そんな事より、願書は ちゃんと貰えたのか?」 「ええ。ほら、ここに。」母は、手に持った願書の入った封筒を差し出した。 「やれやれ。  処で、リーの奴は 何でまた、忍者になんか成りたいだなんて言い出したんだ?」 「ふふ、ほら、アレですよ。  この前、あの時の事を話してあげたでしょう。」  あの時・・・それは 数年前、まだリーが1歳の時だった。  木の葉の里全体を、大災害が襲ったのだ。  そう、九尾の狐 襲撃事件である。

NARUTO if ~ 熱血 落ちこぼれの章 ~第1話

 第1話「夢のはじまり」  ここは木の葉の里のとある一軒家。  一日も もう終わり、この家でも一家団欒の時も終わり いつもなら、床に着く頃合いだ。  一家は、父、母、そして6歳の息子の3人家族。  父は、この木の葉の里で、理髪店を営んでおり、 母はそれを手伝っていた。  床に就こうとする両親の背中に、6歳の息子が唐突に訴えた。 「お父さん、お母さん、僕は 忍者に なりたいです!」 ! 突然の事に、後ろを振り向き、そして、顔を見合わせる二人。  息子のドングリ眼(まなこ)は輝いていた。  しばらくして、父が口を開いた。 「おい、リーよ、家は 忍の一族じゃないんだから、 忍になんてなれる訳ないだろう?」 「そんな事ありません!僕は 絶対に 忍者に なってみせます!」  息子の眼は 尚一層、輝いていた。 しばらく にらめっこしていたが、父が静寂を破る。 「やれやれ、仕方がない奴だなぁ。  母さん、明日、忍者アカデミーまで 入学願書を 貰って来てやってくれ。」 ため息交じりの その言葉を聞き、息子は 更に眼を輝かせる。 「やったー!!」息子は 喜びのあまり小躍りして大声を上げた。 「リー、うるさいぞ!今 何時だと思ってるんだ!」 それを横で見ていた母は 優しい笑顔で、父をなだめる様に こう言った。 「リーは、言い出したら 聞きませんからね。」  父は、もう一度 大きなため息を吐くと、うなだれる様に居間を立ち去って行った。  母はそれを見て、少し困り顔をしたが、直ぐに、キリッと仁王立ちのポーズになり 息子を軽く睨んで、少し苛立ち雑じりに言い放った。 「ほら、リーも 早く寝なさい!」  今日は 良い夢が見られそうだ。