NARUTO if ~ 熱血 落ちこぼれの章 ~第4話
第4話「もう一人の少年」
さて、話を 数年前の あの『九尾の狐 襲撃事件』に戻そう。
炎の中、赤子だったリーを助けた少年は、リーを両親の元へ
無事、送り届けると瞬く間に消え去った。
「よし、この辺りは もう大丈夫だな。」
少年は、森の方へと向かった。次の集落へ行く為だ。
森を回るのは、遠回りになるのだが、禍の中心から離れて行動する為、
仕方のない事だった。
少年は、物凄いスピードで、木から木へと飛び移って行く。
すると、右向こうの木々を 少年の様に 移動する影達が見えた。
数は、7、8。いや、10は あろうか?しかも、人影では無いようだ。
よく見ると、その影達の正体は、犬だった。
10頭の内、半分位が まだ子犬のようだった。
そして、その犬達は 唯の犬では無い、犬の忍者・忍犬であった。
「ん?あれは・・・」 『何処かで見た忍犬達だな。』
そう思うと、少年は、忍犬達の後方へと目をやった。
そこには 忍犬達を追うように木々を飛び移る、奇妙な動物の白い面を
半分ズラして被った 白髪で逆毛の少年の姿があった。
少年は、それを確認すると、思わず口元が弛み ニヤリとした。
そして、少しペースを落とし、面の少年に並ぶと、嬉しそうに声を掛けた。
「よう、カカシぃ! 暗部のお前が何でここに居る?
お前は あっちじゃないのか?」左手を顔の近くまで上げ、親指を立て
左の方を指した。そう、禍の中心を。
面の少年は、面倒臭そうな顔をして、仕方が無いと言った感じだが、
何処か不満めいた ため息交じりに 答えた。
「しょーがないでしょ。俺の忍犬達なら 人命救助にピッタリだって、
四代目の命令なんでね。
俺だって、あっちで 四代目の役に立ちたいけど、
これも、立派な チームワークって奴さ。」
「フン、そーかァ! そいつは 残念だったなァー、カカシよ!」
「それと、ガイ。 この面を着けてる時は、ヤマトって呼べっつてんでしょーが!」
「はっはっはっ! それで面を被ってるつもりか?
顔丸出しで、コードネームも無いだろう!」
「やれやれ・・・」
面の少年は 真っ直ぐ前を向くと、誰にとも無く 呟いた。
「しょーがないでしょ。顔を見られるより、いざって時に 直ぐに
写輪眼を使えない事の方が リスクが 大きいんだから。」
「えっ!?何だって?」
「何でもないよ。」
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