NARUTO if ~ 熱血 落ちこぼれの章 ~第1話

 第1話「夢のはじまり」

 ここは木の葉の里のとある一軒家。

 一日も もう終わり、この家でも一家団欒の時も終わり

いつもなら、床に着く頃合いだ。


 一家は、父、母、そして6歳の息子の3人家族。

 父は、この木の葉の里で、理髪店を営んでおり、

母はそれを手伝っていた。


 床に就こうとする両親の背中に、6歳の息子が唐突に訴えた。

「お父さん、お母さん、僕は 忍者に なりたいです!」



突然の事に、後ろを振り向き、そして、顔を見合わせる二人。

 息子のドングリ眼(まなこ)は輝いていた。


 しばらくして、父が口を開いた。

「おい、リーよ、家は 忍の一族じゃないんだから、

忍になんてなれる訳ないだろう?」

「そんな事ありません!僕は 絶対に 忍者に なってみせます!」

 息子の眼は 尚一層、輝いていた。


しばらく にらめっこしていたが、父が静寂を破る。

「やれやれ、仕方がない奴だなぁ。

 母さん、明日、忍者アカデミーまで 入学願書を 貰って来てやってくれ。」

ため息交じりの その言葉を聞き、息子は 更に眼を輝かせる。

「やったー!!」息子は 喜びのあまり小躍りして大声を上げた。

「リー、うるさいぞ!今 何時だと思ってるんだ!」

それを横で見ていた母は 優しい笑顔で、父をなだめる様に こう言った。

「リーは、言い出したら 聞きませんからね。」

 父は、もう一度 大きなため息を吐くと、うなだれる様に居間を立ち去って行った。


 母はそれを見て、少し困り顔をしたが、直ぐに、キリッと仁王立ちのポーズになり

息子を軽く睨んで、少し苛立ち雑じりに言い放った。

「ほら、リーも 早く寝なさい!」


 今日は 良い夢が見られそうだ。


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